Facebookに潜む「イノセント・スパマー」とは

「イノセント・スパマー」とは、

イノセント=無邪気、つまり

「自覚なくスパム行為をしている人」のことを指す、私が作った造語だ。

残念なことに、最近Facebookで、このイノセント・スパマーを多く見かける。

 

先日、私のFacebookの投稿にこんなコメントがあった。

「熊坂 仁美様初めまして・・お友達になりたいのですが。。現在リクエスト停止のため・・リクエストが送れません・・そちらからお願いできますか?よろしくお願いいたします。m(__)m」

このコメントの主をAさんと呼ぶことにする。

Aさんは、これまで全く接点のない知らない人だが、解説するとこういうことを言いたかったのだと思う。

「私は友達申請をしすぎて申請機能を停止されたので、あなたのほうから私に友達申請してください。それなら問題なく友達になれるので」

 

Facebookのセキュリティフィルターは、連続して同じアクションを繰り返すユーザーを「スパム」と見なし、そのユーザーに対し一時的にその機能を停止する。

「同じアクションを繰り返すのは不自然で、一般的な使い方以外の何らかの目的があるユーザー」と解釈されるのだ。

機能停止することで、悪意のユーザーがよからぬ目的でFacebookを使い、一般ユーザーに迷惑がかかるのを防いでいる。

 

実は以前にも、知らない人からAさんと同内容のメッセージをもらったことがある。

想像するに、Facebookをよく知らない一部のコンサルタントかセミナー講師が、

「Facebookのビジネス活用は、まずは友達を増やすことから。友達○人に増やしましょう。しかし友達申請を続けてすると、Facebookから機能を止められることがあります。でも大丈夫。その場合は相手から申請をしてもらえればいいので、頼んでみましょう」

などと言っているのだろう。

特に地方はそういう人が多いように感じる。講演に行くと、「この前参加した初心者セミナーでそう言われたのですが、やはり友達○人にしなくてはいけないのでしょうか。毎日申請を送っているのですが、これでいいのか不安になって」などとよく質問を受ける。

「すぐにやめてください。無差別に申請するのはスパムと同じですよ」と言うと、青ざめた顔で「そうだったのですか」とがっくり肩を落とすのだ。

 

Aさんも、仲間がみんなそうしているので、何も疑問に思わず教え通りに私に友達申請してくれとコメントしたのだと思う。

自分がスパム行為をしていること、

Facebookから注意アカウントとしての扱いを受けていることに気がついていない。

万が一気がついていたとしても、それが恥ずべきことだという感覚がない。

さらに、Facebookにいる人全員が、自分と同じように友達を増やしたくてしかたがないのだと思い込み、

あちこちに同様のコメントを書いて、自分の恥をさらしていることに気づかない。

 

「知らない」ことの怖さ。

イノセント・スパマーというのは、こういう人のことだ。

ただし、もともとが悪意ではないだけに、本当のスパムのように人にすごく迷惑をかけているわけではない。

こういう人が増えすぎると全体のスパムフィルターがきつくなってみんなが使いにくくなるという危険性もあるが、

基本、本人が気づかずに自分の評判を落としているだけだ。

だからイノセント・スパマーの罪は、その本人よりも、それを教えた人にある。

 

ソーシャルの場を理解せず、人を頭数としか見ていない「ノウハウ」をばらまく人。

何も知らない初心者はそれが正しいと思い、その通りにしてしまう。まじめな人ほど一生懸命にやる。

結果、ソーシャルメディアで最も重要な「信用」「リスペクト」をなくす行為をしている。

そんな人が後を絶たない。

特に最近のFacebookユーザーはどんどん意識が高くなっているので、

ランダム申請をしてくる人はすぐにわかりスルーされてしまう。

そのことに本人があとで気がついても、

一度失われた信用を回復するのはそう簡単なことではない。

ビジネス活用するつもりが、逆に遠ざけてしまう。皮肉な話だ。

 

最近では、友達だけでなくフィード購読にも同じようなやり方を持ち込む人が出てきた。

自分の投稿のいいね!を増やすためにフィード購読者を増やしましょう、フィード購読を増やすためには、「フィード購読返し」を狙ってこちらからどんどんフィード購読をしていきましょう、などと指導している人がいる。

ナンセンスとはこのことだろう。

友達からは得られない情報を得るためのフィード購読のシステムなのに、

スパムの友達申請のようにフィード購読していったらニュースフィードが逆にノイズだらけになってしまう。

見返りを期待してハリボテの数を増やす相互フォローは、Twitterの自動フォロー・リムーブツールで終わったはずだ。

フィード購読は、面白い、ためになるからフォローする、つまらなかったらフォローをはずす。そういう世界だ。

フォローしてもらったからフォローを返す、そんなことに意味を持たないのだ。

 

あなたのインプットは、あなたのアウトプットを決める。

もしフィード購読者を増やしたいなら、つまらないテクニックで遠回りせず、

自分の発信コンテンツを磨くことに注力しよう。

これまでできなかった、世界の第一線で活躍する経営者やジャーナリストなどの投稿が読めるようになったのだから、

そういう人をフォローしていき、

共感した投稿に、自分の感想つきでシェアするだけで発信力は相当磨かれる。

そして本当のフィード購読者(=ファン)を得ることにつながる。

 

私の場合、

「友達」は、気の合う人やリアルな友達のみ。

「フィード購読」は、情報ソースとして、関心のある人をどんどんフォローし、つまらなかったらはずしている。

こうすることで、交流と情報収集のバランスがとれ、ニュースフィードがどんどん充実してきて、

Facebookをより楽しむことができるようになった。

 

あなたが、イノセント・スパマーになって恥をかかないためには、

カビの生えたマーケティング手法のくだらないノウハウを鵜呑みにせず、

まずは自分がどうやったらFacebookを楽しめるのかを見つけよう。

そして、次のステップとして、自分らしい発信をしてみよう。

そういう使い方をしていくと、

Facebookがびっくりするほどたくさんのものを運んできてくれることに、

あなたはきっと驚くだろう。