「ご当地版HAPPY」の作り方ミニガイド

「HAPPY動画を作りたいけどどうしたら?」というご質問をあちこちからいただくので、福島版を作った経験をもとに書いてみます。

1,誰が作るのか?

HAPPY福島版」は、発起人の私がまわりに声をかけ、制作チームを作って手弁当で作りました。
市長が参加してくださっていますが、福島市や福島県など行政から委託されたものではありません。ご当地版は、本来なら行政や観光協会が作るのがよいのかもしれませんが、一般的に決定に時間がかかる行政主導では、ゴーサインを待っていたらHAPPYのトレンドが終わってしまいますし、もろもろ制限がかかると作りにくくなります。

「作りたい人がおもしろがって作る」ことが、HAPPYらしい動画を作るポイントでもあります。

スクリーンショット 2014-06-10 05.16.49
(福島の人気パフォーマンス集団「ロメオパラディッソ」の撮影風景。iPadで動画を見てもらいイメージを共有)

2,作るのに誰かの許可はいるのか?

YouTubeですから、基本許可はなく、勝手に作ってアップします。地名をタイトルにつけるのも自由です。今回の福島版は、福島市中心に撮影をしましたので「福島市版」と言ったほうがいいのかもしれませんが、複雑になるので福島版にしました。そういう意味では地名は早い者勝ちかもしれません。個人的には、会津版、いわき版、相馬版、白河版なども福島のほかの地域の有志の方にぜひ作ってもらい、お互いをつないでいったら面白いと思っています。

3,何カットぐらい必要なのか?

2億回を突破した本編は、24時間分撮影したものを編集しているため、出演者が数秒づつ、次々に入れ替わります。その流れに慣れた目で見ると、同じシーンが続くバージョンは途中で退屈してしまいます。その点、大ヒットした原宿版はカット数も本編なみに多いので、参考にさせていただきました。結果、福島版は4分で80カット以上になり、「飽きずに見られる」という声を多数いただいています。

カット数が多いということは、出演者数もそれに準じて多くないといけません。同じ人は2回まではいいけれど、3回出てくると、「あ、また同じ人だ」というふうに思われてしまいがちです。
つまり、最後まで見てもらう動画づくりでまず必要なのは「出演者の数を揃えること」になります。

4,誰に出てもらうのか

人数も大事ですが、個性はもっと大事です。ということで、人選はHAPPY動画制作のキモになります。不思議なことに、HAPPYは美男美女で踊りがうまい人ばかりが出ても面白くなく、「ダイバーシティ(多様性)」があったほうが面白いのです。そこで、福島版も年齢層から職業まで、なるべくバラエティに富むようにしたいと思いました。

チームで集まり、それぞれのネットワークで「踊れる人」「個性的な人」「福島らしい職業の人」の推薦を行い、推定年齢や最適のロケ地を入れたエクセルの表でリストアップしていきました。
そして、出演依頼のチラシを作り、それぞれの推薦人から候補者に渡しました。ほとんどの人は快諾してくれたため、すぐに撮影日程を決め、次々に撮影していきました。そのあたりはとてもスムーズにいきました。

5,撮影について

ソーシャルメディア研究所は動画制作を行っているためカメラ機材が揃っています。使用したカメラは、『YouTubeをビジネスに使う本』でも紹介したCANONのXA25とEOS70D。踊りながら歩くところを撮る際には手ぶれがしないようにスタビライザーを使いました。

6,編集について

2週間にわたる撮影期間ですから、素材をすべて撮り終えてから編集作業に入ると、いきなり膨大なデータと格闘することになりますので、「少しずつ撮って、少しずつ編集する」というやり方をしました。毎日、その日撮影分を加えていき、グループウェア(チャットワーク)でメンバーに見せて共有し、フィードバックをもらいました。

駅長の撮影が入る前のバージョン(限定公開)

テスト版は数えたら15本になっていました。

7,人件費について

動画制作の最大のコストは人件費です。なかでも最も時間がかかるのが編集です。最初は私が一人で空いた時間に行っていましたが、途中から新人研修に切り替えました。新人のY君はそれまで撮影も編集も全くやったことがありませんでしたが、2週間にわたるこのHAPPYプロジェクトによって一通りのことができるようになりました。編集ソフト(ファイナルカット)は編集をしながら使い方を覚え、さらにAffterEffect(デジタル合成や特殊効果)まで覚えてしまいました。本編の最後の4分割からたくさん人が増えていくシーンは、彼の発案でAffterEffectによるものです。また、犬のウィンクのところやプロレスも彼のギャグ。「オフショット版」については全く私はノータッチでY君にすべて作ってもらいました。このHAPPYプロジェクトで一人の動画クリエイターが誕生したと言っても過言ではありません。

このように、スポンサーが存在しないHAPPY動画は、時間コストがネックになりますが、編集をやりたい方のスキルアップの場として、ああるいは新人のトレーニングの場として逆に利用できるのではないかと思います。

8、著作権について

「HAPPY」に関しては、ほかのたくさんのカバー動画もみなフリーで使用しています。どこかに届け出をする必要もなく、言葉は悪いですが、「勝手に」使っています。音源は、iTunesで購入し、編集ソフトに入れて使っています。ただし、YouTubeにアップすると、一致コンテンツを探すシステムにより自動的にiTunesへのリンクが張られるようになっています。これまで、私の知る限りで著作権違反によるファレル側の申し立てで動画を削除されたという事例は聞いていません。(ただ、ないとは言いませんが、万が一方針が変わる可能性もゼロではありません)

福島版HAPPYは、おかげさまで大きな反響を得て、わずか1週間で165カ国、13万人もの方に見ていただいています。

100の言葉よりも「笑顔とダンス」で伝わるものがあります。
特に、「地方からグローバルへ」と考えている人は魅力を広く訴求する絶好のチャンスでしょう。

 

HAPPY福島版