HAPPYに関する著作権問題その後

今日の毎日新聞で、宮崎市が「HAPPY」を制作会社に依頼して制作し、市政90周年動画として発表したところ、使用権が発生するケースになったと報道がありました。
http://mainichi.jp/feature/news/20140903k0000m040197000c.html

宮崎市は7月、市内の映像製作会社と関係者から「HAPPYを使って地元を紹介する動画を製作したい」との申し出を受けて賛同し、製作費用の一部を負担した。観光地の青島や市街地などで市民が曲に合わせて踊るPR動画には戸敷(とじき)正市長も参加。8月に完成し、市は同月26日から市のホームページで「市制90周年記念動画」として告知。動画は投稿サイト「ユーチューブ」で公開され、9月2日までに3700回以上再生されている。
しかし、HAPPYの著作権を共同で管理する「ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング」と「ソニー・ミュージックパブリッシング」によると、個人やそれに準ずるグループは無償使用を認めているが、企業や営利団体、行政がPR目的で使用する場合は原則使用料が発生するという。宮崎市の場合、動画は映像製作会社名義で公開され、両社に連絡しないまま無断使用しており、両社は「著作権使用料を払ってもらうケースに当たる」としている。

福島版HAPPYの制作責任者で、もろもろ情報発信をしている私は、
HAPPYの著作権に関して多方面からご質問をいただきますが、商用利用以外は使用料を問われないようです、というふうに現状を伝える以外なく、これまでそう答えてきました。

問題は「商用利用」の範囲です。

この記事でいえば、

「個人やそれに準ずるグループは無償使用を認めているが、企業や営利団体、行政がPR目的で使用する場合は原則使用料が発生する」というところです。

企業のPRが商用利用であることは明らかですが、問題は自治体です。神奈川県が自治体のPRとして著作権申請し、価格が折り合わずHAPPY使用を断念したというのは記憶に新しいところです。

自治体は営利団体ではないので商用というイメージがありませんが、たとえ自治体であっても公式にPRとして使う場合には営利目的と見なされるというのが今回改めて明らかになったところでしょう。

ちなみに福島版HAPPYは、私が個人として仲間の協力を集め手弁当で制作したため、そこに制作費や出演料などのお金は全く発生しておらず、
YouTubeアカウントも私の個人アカウントから投稿しているので、「個人やそれに準ずるグループ」となり、無償使用を許されています。
市長やJR駅長に参加していただいていますが、お二方とも私が個人的に参加をお願いし、福島を盛り上げるために快諾していただき実現した非公式の出演です。

整理をすると、

企業、組織、自治体のPRや商用目的の場合は著作使用料を支払う。
個人、または個人に準ずるグループが表現活動の一環として行う場合には無償使用が認められる。

ということになります。

別な言い方をすれば、自分の表現活動の一環として使うのならいいけど、
楽曲を自分たちのPRに使ったりそれでお金を得ているのであれば使用料を払ってください。という至極当たり前のことなのです。

ファレルのHAPPYは「自分のHAPPYを表現する」のに最適の曲です。

ふだん表現の機会があまりない地方に住む人にとっては特に、
HAPPYのカバーを作ることは、自分たちの現状を多くの人に知ってもらうまたとない機会です。
だからこそ、世界で2000以上ものHAPPYが作られ、
そしてみんなが自分のHAPPYを表現しはじめたことにファレルが涙を流したのです。
私も福島版HAPPYを作っていたときは、参加者の皆さんの幸せ表現が直接伝わって、本当に幸せな時間を過ごしました。

HAPPYは伝染します。
その幸せ感が動画を通して見ている人にも伝わり、
HAPPY福島は地元でとても愛される動画になりました。

いま日本でたくさんのHAPPYが作られています。

長野の上田市のHAPPY制作者の竹花文博さんは、
過疎化の進む地元(丸子町武石村)をなんとか活性化させようと、家族を巻き込んでHAPPYを作りました。

スクリーンショット 2014-09-03 13.29.41

「素人が作りましたので構成がおかしいですが」と竹花さんご本人がおっしゃるとおり
サムネイルも含めて手作り感満載ですが、
上田という町の魅力とみんなのHAPPYが伝わってきます。
地元出身者も、自分のふるさとに誇りを感じられるコンテンツになっているのではないでしょうか。

今後もHAPPYのような、みんなが楽しめるカバームーブメントが出てくると思いますが、
今回のことで、著作権のことがよくわからないということで、二の足を踏む人も増えるかもしれません。

ただ地方、特に上田のようなケースや福島のような特殊な場所、
つまり埋もれてしまう地域であればあるほど、
自分たちの存在をアピールする場、自己表現の場として、
これからもそういったチャンスをどんどん利用するべきだと思っています。

そしてその際に気をつけなければならないことは、
繰り返しになりますが、
商用目的や自己表現以上の思惑が入る場合は著作権者に伺いを立てて使用料を支払うということ。

むやみに怖がらず、
状況に合わせた判断をしつつ、
決して発信をやめないこと。
そうすることで地方のコンテンツ力、発信力は磨かれていくのだと思っています。