自治体はもっと「動画コンテスト」をやるべきだと思う。

最近、企業プロモーションのための動画クリエイターを発掘するためのコンテストをよく見かけるようになりましたが、これから自治体も、どんどん「動画コンテスト」を行うべきだと思っています。

この夏、福島県の「笑顔でつなげよう動画コンテスト」が行われました。
復興への取り組みの一環として「福島の子供たち、若者の笑顔」をテーマに1分にまとめる動画コンテストです。
138点の応募があり、入賞は20作品。
27日に市内で表彰式が行われ、私も審査員の一人として参加しました。

最優秀に選ばれたのは、県立小野高校放送部の作品で、
高校生らしい屈託のないアイデアと演出、吹奏楽部に協力を得たという素朴な音楽がマッチする秀作でした。

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http://www.minpo.jp/news/detail/2014092818323
(福島民報社の記事より)

写真コンテストに比べて動画コンテストは、全国でもまだまだ先例がありません。
簡単にスマートフォンで動画撮影ができるようになったとはいえ、
作品としてまとめるには編集の必要があり、写真に比べてまだまだハードルが高いからです。

それでも動画の伝える力、ビジュアルの影響力を考えると、
今回のような自治体主催の動画コンテストはどんどん行われるべきだと思います。

というのは、観光誘致を考えたとき、
人々が次の休暇の目的地を選ぶ際に真っ先に思い浮かぶ場所になる必要がありますが、
それには、様々な媒体を通して、いかに人々の中に「ここに行ってみたい」と思わせるインプットができるかが鍵になります。
既存のPR手法に加えて、新しい媒体として育ってきているのが
YouTube動画のようなユーザー発のコンテンツです。
使い古された一般的なPRとは違った視点で新しさやオリジナリティがあり、
共感を呼びやすいユーザー発コンテンツは、
ソーシャルメディアの普及とともに、これからますます大きな力を持つことは間違いありません。

いまはまだ動画発信者の数は少ないですが、これからその数を増やし、質を上げていくことで、
人気を呼び観光誘致につながる「地域のキラーコンテンツ」を多数持つことが可能になり、
自治体の発信力の向上に大きな役割を担うこととなります。

今はソーシャルメディアを使って誰もが発信をする時代です。
投稿されるコンテンツの量は加速度的に増えています。
そこで埋もれず目立っていくには、「発信コンテンツの質と量」が勝負を決めます。
極論を言えば、観光誘致をしたい地方にとって発信力は、
他の地方に勝っていくための武器、言い換えればサバイバル能力の一つなのです。

動画コンテストや動画教育を行うことで、
動画に興味はあるけれど、やり方がわからずとどまっている人を次のステップに導き、
地域発信者のモチベーションと質を上げ、層の拡大につながります。

特に福島の場合は特殊な事情があり、
人々のネガティブなイメージを取り除き、なおかつ好感に代えていくという大きな命題があります。

27日の表彰式では、講演者として壇上に立ち、動画の可能性についてお話をさせていただきました。
その中で「HAPPY FUKUSHIMA」で海外メディアに取り上げられた経験を少しお話しました。

海外メディアに多数取り上げられたのはうれしいのですが、
そのほとんどが、記事のあとに白い防護服のあの写真が掲載されていた、という話です。


繰り返し繰り返し世界中に報道され、人々の心の中にインプットされた福島のイメージは思っていた以上に強力なもので、
それを塗り替えて行くには、生半可の発信では足りないと実感しました。

今週YouTubeにリリース予定の相馬野馬追を描いた動画はその経験から、
福島の良さを発信するプロジェクトの一環として行ったものです。

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とはいえ、私や仲間だけの力でどうなるものでもありません。
動画という強力ツールを使って地域の魅力を発信するクリエイターがいま本当に必要なのです。

被災地福島が行った今回の動画コンテスト。
初回ということもあり応募数もまだまだ少なく、
これを継続し、発信者育成につなげていくには、乗り越えるべき課題はたくさんあるでしょう。

しかし、一般市民、特にこれからを担う感性豊かな若者が「動画で地域を発信する」ことの第一歩を踏み出したことは、大きな意義があると思っています。

<講演会のお知らせ>
10月6日、南相馬市にて「ここに行ってみたい!」を引きだそう~地域の魅力を伝える新たな情報発信とは~」というテーマでお話をさせていただきます。
http://tohoku-monogatari.org/bulletin/index.php?page=article&storyid=49