チェックインクーポン問題、私はこう思う

先週から話題になっているホットペッパーの『勝手にチェックインクーポン』問題。

6月にローンチしたFacebookの「チェックインクーポン」(ユーザーがモバイルで店のスポットにチェックインをすることでクーポンが表示されるサービス)を、
ホットペッパーが、登録している3万8000店舗のFBページを代理で作り、ホットペッパーのクーポンと同内容のチェックインクーポンを発行したというもの。

店側にとっては、集客の新たなルートをホットペッパーが作ってくれた形になり、ユーザーもクーポン割引を受けられるので、誰も損をしないようにも思える。

問題は、ホットペッパーの「乱暴」とも言える一方的なやり方だ。

豚組の中村さんが、ブログで困惑を語った。
http://hitoshi.posterous.com/fb

豚組はご存じの通り、ソーシャル活用で有名なお店で、
当然ながら自社でFBページを運営している。

クーポンを発行しようとして、「規約違反」という連絡を受け、公式を差し置いてホットペッパーが勝手にクーポンを発行していることに気づいたのだった。

その後ホットペッパーとの話合いを持ち、その内容がこれ。
http://hitoshi.posterous.com/fb-35548

 

さて先日、私は渋谷のある居酒屋で友達と飲んだ。

私はたいてい、どこかに行くとチェックインする習慣がついているので、
その日もチェックインをしようとして驚いた。

黄色いマークがクーポンを発行している店。

そう、クーポンだらけなのである。

今年の2月ぐらいから、私は自分のセミナーで、
「チェックインクーポンがローンチしたら『黄色いクーポンマーク』の店に人が行くだろう。渋谷とか新宿などの繁華街向きのサービス」と言っていた。

チェックインクーポンは、ソーシャルメディアでコストをかけずに集客したい飲食店にとっては、願ってもないサービスで、

アーリーアダプターの意識の高い飲食店からクーポンを発行していき、他の飲食店がそれに追随する形で広がっていくのかと思っていた。

クーポンの認知とともに、じわじわと飲食店のソーシャル活用が浸透していくだろうと。

それが、まさか一気にこんなにクーポンだらけになるとは。

店にチェックインすると、こんなクーポンが現れる。

友達がホットペッパーのクーポンを持っていたが、
割引内容は全く同じ。

チェックインというゲーム的要素の「ごほうび」としてのクーポンを期待している人は期待はずれだ。

むしろホットペッパーの携帯サイトのほうが割引のバリエーションがたくさんあってメリットがある。

つまり、わざわざチェックインをして友達に知らせたからといって特別な特典はないということ。

ユーザーからすると、チェックインをしてわざわざ友達に教えてあげようという理由が全くないのだ。

実際私もチェックインしたが、ご覧の通りのありきたりの内容のクーポンで、「ここクーポン発行しているよ〜」と友達に知らせようというモチベーションはゼロ。

家に帰ってPCで確認してみると、確かにこの店のFacebookページができている。

カスタマイズページ(店の情報ページ)だけはフラッシュつきで立派にできているが、

チェックインしたのは私だけというさみしさ。

そして、ウォールには全く何も書かれていない。

Facebookページというよりは、「クーポン発行」だけのためのページ。

人気(ひとけ)のないこんなページに集客効果がないことは火を見るよりも明らかだし、ファンになろうという人もいないだろう。

もしかしたら、この店のオーナーは、このページを見てもいないのではないだろうか。そしてもしかしたらFacebookが何かも知らないかもしれない。

Facebookページを作って、ファンとコミュニケーションをし、
その延長線上にクーポンがある。というのが本来の「Facebookを使った集客」だと思うのだが、その本質的なところを無視して、店のオーナーが関わらないままクーポンだけが一人歩きしている状況というのはどうなのだろうか。

ホットペッパーの言い分はこうだ。

「HPとしては、今までのようにゆっくり一件一件コツコツと取り組んでいても、飲食店のITリテラシーはいつまでたっても向上していかないと考えています。また、せっかくスタートしたFBのチェックインクーポンも、いつまでも普及しないだろうと思いました。そこで、その流れや認知を一気に変えたかった。そのため、ある種のインパクトや話題性を提供することも含め、一斉登録が必要だと考えた次第です」(中村さんのブログより)

中村さんが「チェックインクーポンの可能性をつぶす行為」と言っていたが、私もまったく同意見だ。

ユーザーから見れば、遊び心も、わくわく感も、シェアしたい感もない、

従来のクーポンの延長でしかないホットペッパー謹製のお仕着せチェックインクーポンは、

Facebookやチェックインに対して興味を失わせるのに十分だからだ。